税理士試験の平成22年度~平成26年度の科目合格データから最も合格しやすい科目を探してみると、合格率の上位5位に何と財務諸表論が3回も入っていました。詳しくは「税理士試験で最も合格しやすい科目を探してみる 平成22年度~平成26年度データ」を見てください。私の経験でも財務諸表論は他の科目に比べて、模擬試験等でも成績上位になりやすかった印象があります。私は友人からのアドバイスで最後の方に財表を受験しましたが、これだったら最初に受験したら良かったなぁと思いました(結果論ですが)。
税理士試験は簿財の会計科目から始める人が多いこともあって、税理士試験の鬼門である理論暗記について財務諸表論で初めて経験する人が多いので、ここで躓く人がいるようですが、財務諸表論の理論は税法の理論に比べると覚えやすいですし、理論暗記のコツを掴めば完全暗記も不可能ではないと思っています。実際に私は予備校のテキストのほぼ100%を覚えましたが税法ほど苦労しませんでした。計算は簿記論よりも簡単なので、私は簿記論よりも財務諸表論の方が勉強しやすいし合格しやすいと思っています。
税理士試験は相対評価の上位10%が合格する試験なので、「理論が覚えやすい」「計算が簡単」ということが合否に影響し難い(私が簡単ということは皆同じ条件)ですが、過去の合格率をみると極端に財務諸表論が高くなっています。おそらく、初めて理論を勉強する人が理論暗記のコツを掴めずに理論が不十分なままで本試験を受験するため、理論の得点差が大きくて、合格率を10%~15%にできないのではないでしょうか。理論は覚えていないと全く書けないですからね。税法科目に比べると白紙解答、見当違い解答が多いのではないでしょうか。ということは、税法のように重箱の隅をつつく問題や合格点が90%以上の正答率になることは考えにくく、しっかりと理論を覚えていれば合格ライン(上位10%~15%以内)に入りやすいということだと思います。