財務諸表論を初めて勉強する人の多くが9月から勉強を始めていると思いますが、年内に学ぶ基礎項目は年内に完璧に覚えてしまいましょう。年明けまで持ち越さないのが合格の第一歩です。
年内の講義は簡単だが、財務諸表論の合否を分ける重要なポイント!
財務諸表論の9月スタート講座の年内講義は基礎項目が中心で理解するのにそれ程苦労しないと思います。理論は一般原則や貸借対照表原則、損益計算書原則くらい、計算は有価証券などの個別問題が中心ですしね。年内に学ぶ内容は簡単なものが多いため一見すると財務諸表論のの合否に関係ないと思いますが、この項目こそが合否を分ける重要箇所なのです。
税理士試験は表向きは60点取れば合格ですが、実際は上位10%(簿財は上位15%)が合格する相対評価試験です。財務諸表論の合格ラインである上位15%に入るためには、誰もが解けない難しい問題を解けるようになることよりも、誰もが解ける問題を間違いなく解答しなければいけません。模擬試験等を何回か受けたらわかると思いますが、正答率が高い問題を全て解答できたら合格点を取れるはずです。このサイトで何回も書いていますが、財務諸表論の合格に大切なのは難しい問題を解けるようになることではなくて、誰もが解答できる正答率が高い基礎項目をいかに間違えないか、ということなのです。
年内に学ぶ項目はちょっと勉強すればすぐに理解できる項目ばかりで、このような問題を間違えたら合格に黄色信号が点ったと考えて間違いありません。
年明けからは応用項目の勉強や模擬試験が始まる。
財務諸表論の9月スタート講座は年明け2月くらいからは応用項目の勉強が始まりますが、応用項目は基礎項目の知識がなければ本当の意味で理解できず、違った角度から出題されたら途端に解答できなくなります。そのような状態で税理士試験財務諸表論の本試験に合格できると思いますか?財務諸表論の本試験は受験予備校と同じ問題は出題されないので、基礎項目の理解が乏しい状態だと一体この問題で「何を問われているのか」「何を解答しなければいけないのか」がわからずに減点、最悪の場合は見当違いな解答でゼロ点になってしまいます。
模擬試験等の問題を見たときは何が問われているのかがわからないものの、解答解説を見たら「あぁ、そういうことね。」という経験をしたことはありませんか?書くべき解答を知っているのに、問題文を理解できないために正しい解答を書けないのです。これは基礎項目の理解不足が原因です。
応用項目の勉強が始まると基礎項目の復習にまで時間を作ることが難しくなってきます。さらに模擬試験が始まるとさらに一層復習時間を取れずに次第に勉強不足項目・理解不足項目が増えてきます。そのような状態で模擬試験等を受験して合格点が取れるわけがなく、「何でだろう」「どうしてわからなかったのだろう」と苦悶しているうちに、ゴールデンウィークが終わり、直前期に突入し、本試験…。試験結果は想像通り。
そうなってしまわないように比較的時間がある年内に基礎項目を固めてしまいましょう。