財務諸表論になかなか合格できない人の中にはその原因を受験予備校に向けて、予備校を変える人がいます。しかし、余程のことがない限り受験予備校は変えてはいけません。
財務諸表論の受験予備校を変えるリスク
税理士試験に合格できない時期が続くと受験予備校を変えたくなりますが、受験予備校を変えると次のようなリスクが発生します。
- 理論の覚え直し
- 計算(特に注記)の覚え直し
財務諸表論の理論は受験予備校によって言い回しが少し違います。ミニテストや模擬試験などではその受験予備校の理論で採点されますので、言い回しが違うと減点されることがあります。模擬試験なので本試験の合否に直接的に関係ありませんが、ミニテストや模擬試験で点数が悪いとモチベーションを維持するのに苦労します。また、計算の解き方も予備校によって違いますし、特に注記については書き方が違います。
受験予備校を変えると必要以上に覚え直す手間がかかってしまいます。
財務諸表論に合格できない原因は予備校ではない!
科目合格できない時期が続くと受験予備校を変えたくなる気持ちはわかりますが、これは合格できない根本的な解決策ではありません。というのは、当然ですが大原であってもTACであっても合格している人はいます。ゼロではないはずです。つまり、合格者と同じテキストとカリキュラムで合格できないということは単純に勉強不足である可能性が考えられます。
財務諸表論は基本的な項目を理解できていれば合格できます。計算は簿記論ほど難しくはありませんし、理論も一定の理解度があれば合格レベルの解答はできます(税法ほど完璧な暗記を求められていない)。そういった中で合格できないということは、単純に理解不足(つまり勉強不足)であると考えられます。
受験予備校を変えて合格した人がいるのも事実ですが、その人は受験予備校を変えただけで合格できたのではなく、受験予備校を変えて勉強する質と量が改善されたので合格レベルの知識が身につき、結果として合格できたのだのです。
人によっては合う合わないがありますので、今受講している予備校がどうしても合わないというのであれば変えるのも1つの手段かもしれませんが、そうでないのであれば受験予備校を変えるのは止めるべきです。受験予備校を変えると必要以上に手間がかかりますし、その手間をかけるならその時間で総合問題を1題解くほうが合格に近づくと思います。