税理士試験財務諸表論の模擬試験等を解く場合に、理論と計算のどちらから解いた方が良いのかについて、予備校の講師によって意見が分かれますが、私の経験でいえば財務諸表論については理論を先に解く方が効率が良かったです。
経験上、財務諸表論は①理論②計算③理論の順番に解く方が効率が良かった!
税理士試験の多くの税法科目については、計算問題を解いてから理論問題を制限時間いっぱい解答するというのが一般的ですが、財務諸表論については、まず理論問題をしてから計算問題を解くほうが合格点を取りやすかったです。財務諸表論の講師によっては、まずは計算問題を解く方が良いいう人がいますが、私は理論ですね。先に計算を解くと、計算解答中に理論のことが気になって「計算問題を早く解かなければ…」と焦ってしまってケアレスミスが多くなったり、計算問題に手間取って理論の解答時間が足りなくなったりしたことがありました。
私の経験では財務諸表論は理論計算の順番ですが、詳しく書くと次のような順序で解答していました。
- すぐに書ける理論を解答する。
- 計算問題を解く。
- 最初に書けなかった理論を書く。
財務諸表論解答順序①すぐに書ける理論を解答する。
財務諸表論の理論問題はすぐに解答できるものと、考えないと解答できないものがあります。すぐに解答できるものとは、規定の穴埋めや理論のベタ書きなど考えなくても書ける個別理論の解答で、こういった理論問題は覚えているかどうかだけで、しっかりと勉強していれば誰でも満点が取れる問題なので最初の段階で全て書いてしまいます。この段階では「問題の意味がわからない」「複雑な問題で考えなければ解答できない」ものは後回し(計算問題の後)にします。
すぐに書ける理論を全て書き終わったら計算問題を始めます。
財務諸表論解答順序②計算問題を解く。
財務諸表論の計算問題を解く前に、次のポイントに注意して下さい。
- 理論の書き残しがどの程度あるのか?
- 計算問題の予想解答時間はどのくらいか?
- 計算問題には個別問題があるのか?
- 計算問題に理論解答のヒントがないか?
- 財表の計算は簿記論より簡単。難しい問題は合否に影響が無い。
財表計算解答のポイント①財表理論の書き残しがどの程度あるのか?
最初に書き残した理論がどの程度あるのかによって、計算問題を解ける時間を決めなければいけません。
財表計算解答のポイント②計算問題の予想解答時間はどのくらいか?
財表の模擬試験等を何回か受けていると計算問題が何ページあるかによって大体のボリュームがわかるようになります。8ページだと40分、10ページだと50分など、ページ枚数ごとに大体の解答時間の目安を決めておいて、その範囲内で解答できるようにします。
財表計算解答のポイント③計算問題には個別問題があるのか?
財務諸表論の計算問題は総合問題形式だけではなく、一部に個別問題が出題されることがあります。もし個別問題があれば先に解いてしまいましょう。
財表計算解答のポイント④計算問題に理論解答のヒントがないか?
最初に理論を解いた時に忘れてしまっていた理論をチョットしたことで思い出すことがあります。滅多にありませんが、計算問題のなかに理論解答のヒントが見つかる事があるので、心の片隅に置いておきましょう。
財表計算解答のポイント⑤財表の計算は簿記論より簡単。難しい問題は合否に影響が無い。
財務諸表論の計算問題は簿記論に比べて難しい問題は少なく、もし難しい問題が出題されたとしても合否には影響しないことが殆どです。財務諸表論の計算問題で大切なのは正答率が高い項目をいかに間違えずに解答するのかということなので、難しい問題(正答率が低い問題)に時間をかけるのではなく、わからない問題は早々に見切りをつけて、簡単な問題を間違えずに解答できるような時間配分を心がけましょう。簡単な問題でケアレスミスをすると命取りになる恐れがあります。
財務諸表論解答順序③最初に書けなかった理論を書く。
財務諸表論の計算問題を解き終わったら、理論に戻って最初に書けなかった理論問題をもう一度読み直して、書けそうなところが無いかチェックします。どの財表講師も言うと思いますが、絶対に解答を空欄にしてはいけません。適当な事を書いても部分点が拾えるかもしれませんし、この部分点が合否を分けることになるかもしれません。
最後の1分は乱れ書きです。一般原則等を交えて、とりあえずどの理論にも共通して当てはまりそうなキーワードを解答用紙いっぱいに書きまくります。