税理士試験受験予備校の多くでは受験初心者向けの一般クラスと経験者向けの上級クラスを開講していて、財務諸表論受験生の間で上級クラスと一般クラスで意見が分かれます。
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財務諸表論一般クラスの内容
一般クラスでは、財務諸表論を初めて勉強する人(日商簿記2級レベルの知識がある人)が無理なく本試験で合格できるようなカリキュラム(勉強計画)になっています。基本的には、授業で講師が専用のテキストを用いて学習項目を解説し、随時問題を解きます。そして次回授業開始時にミニテストを行い学習習熟レベルをチェックします。また、月に1回は模擬試験を行い、順位や合格点などを公表します。
財務諸表論上級クラスの内容
上級クラスでは、一般クラスのように講師が学習項目を一から説明することはありません。基礎知識はあるという前提で毎回模擬試験を行い、模擬試験で出題された項目について講師が解説します。基礎項目の解説はありません。
財務諸表論は一般と上級のどちらがいいか
財務諸表論は一般クラスと上級クラスのどちらがいいかについて、私は次のように考えています。
一般クラスが合っている人
- 初めて財務諸表論を受験する人
- 今年受験したがB判定以下だった人
- ゆっくりじっくり勉強したい人
上級クラスが合っている人
- 今年財務諸表論を受験したがA判定だった人
- 今年財務諸表論を受験したがB判定、かつ、受験専念など勉強時間に余裕がある人
- 今年財務諸表論を受験したがB判定、かつ、今年簿記論に合格した人
- スピーディーに勉強したい人
財務諸表論合格で大切なのは基礎項目
税理士試験というと難しい問題を解けなければ合格できないと思っている人がいますが、これは間違いです。税理士試験、特に財務諸表論は基礎項目の理解がなければ合格できません。誰もが解けないような問題を解けることが合格のポイントではなくて、大切なのは一般クラスで学ぶような基礎項目をいかに間違えないかです。上級クラスを受講していると何だかそれだけで優越感を覚えますが、実際に大切なのは一般クラスで学ぶ基礎項目で、この基礎項目の理解が不十分だとケアレスミスが減らず成績が伸びません。
受験予備校によっては模試等の解答に正答率を掲載している事があります。これを見たらわかると思いますが、正答率40%以上のところを全て間違えずに解答できれば上位30%以内に入れます。正答率30%以上であれば上位20%以内に入れます。つまり、正答率の高い項目でケアレスミスを犯さないための基礎知識をしっかり付けることが財務諸表論の合格のポイントなのです。