税理士試験財務諸表論の理論は暗記と理解のどちらを先にするべきかについて。
理論暗記が先か?理論理解が先か?
財務諸表論の理論でよく話題になるのが、「理論暗記が先か、理論理解が先か」ということがあります。色々な意見がありますが、個人的には「理論暗記が先」と考えています。理由は簡単です。勉強を始めたばかりの頃は予備校の理論の説明を読んでもイマイチ理解できないからです。
財務諸表論の理論は理論ごと横の繋がりがあって、ひとつの理論を読んでも正しく理解できません。勉強が進み、全体を学ぶ頃になって初めて「あぁ、この理論はこのようなことを書いていたのかぁ。」とわかります。
理論理解派の人がどの程度の理解を理論理解と言っているのかはわかりませんが、財務諸表論の勉強を始めた頃に理論を正確に理解するというのはチョット難しいのではないでしょうか。
もちろん私も理論の理解は大切だと考えています。ただ、理論理解は勉強中期から後期にかけて深まっていくもので、勉強初期は理論理解よりも理論暗記の方が大切だと考えています。理論理解は授業で講師がする説明を聞く程度の事で十分です。ザクっと、「この理論はこういうことを書いているのか~」くらいで十分。正確に理解するのは勉強後期でないと無理です。勉強初期は理論理解に時間を割くよりも理論暗記に力を入れる方が勉強効率が良いと思います。
理論暗記ではキーワードに注目する!
理論暗記をするときは、キーワードに注目しましょう。キーワードは他の理論で使いまわしすることができます。「利益については処分可能性が考慮されなければならない」「投資家保護の観点」「国際的調和化」などなど。
理論理解は勉強中期から
理論は勉強しているうちに理解できるようになります。最初のうちは、何が何だかよくわからないことが多いですが、ひたすら理論暗記です。勉強中期(2月頃)になると、一般原則、貸借対照表原則、損益計算書原則など基礎理論の学習が終わります。基礎理論の学習が終わる頃になってやっと財務諸表論の理論が見えてきます。減価償却は費用収益対応の原則と関係している、とか、棚卸資産評価の低価法は保守主義の原則が関係しているなどなど。この時期からが本当の意味で理論理解を始める時期であると思います。基礎理論を覚えていないと理論同士の横の繋がりを理解することができないため、応用問題が出題されたときに対応できません。もちろんこの時期であっても新しく学ぶ項目の理論暗記は絶対です。