税理士試験で一番難しいといわれているのが法人税法と所得税法です。反対に財務諸表論は税理士試験で一番合格しやすい科目と言われています。
財務諸表論は税理士試験初学者が多い
財務諸表論が税理士試験で一番合格しやすい科目と言われている理由のひとつが受験生に占める税理士試験初学者の割合があります。税理士試験の合格基準は表向きは60点以上の得点となっていますが、実際は受験生の上位10%以内(財表は15%)になっています。過去の合格率推移を見てもわかると思いますが、60点以上の得点であれば受験年度によって合格率に大きな変動があるはずですが、毎年大きな変動はありません。これは合格率が10%になるように得点調整があるものと考えられます。つまり、いくら60点以上得点したからといって全員が60点以上であれば合格できず、反対に50点であっても全員が40点台であれば合格できるということになります。
つまり、受験生の質によって難易度が異なるということです。受験生の質が高ければその中で上位10%以内に入らなければいけないので合格が難しくなります。
税理士試験の中で受験生のレベルが高くない科目が簿記論と財務諸表論です。これは税理士試験を始めるときに一番最初に選択する科目が簿記論と財務諸表論で、簿記検定の延長線上といった気分で受検する人いて、税理士試験合格のための勉強量に足りない人が多くいます。これに対して法人税法などの税法科目は受験生の殆どが簿財合格者なので、こういった税理士試験初学者が少なく、上位10%以内に入るのが難しいといわれています。
財務諸表論の理論で苦労する人が多い
上記通り、簿記論と財務諸表論は税理士試験で合格しやすい科目と言われていますが、さらに財務諸表論は合格しやすいと言われています。これは財務諸表論には理論という科目があるからで、受験生の多くがこの理論暗記に苦労しているようです。税理士試験受験生の多くが簿記検定を受検しており、簿記論の勉強はスムーズに理解できるようですが、財務諸表論の理論は簿記検定にはない科目なので面食らうようです。内容自体はそれ程難しくはないので勉強すれば合格レベルになるのですが、最初の段階で苦手意識を持ち、勉強が不十分になってしまうようです。受験生によっては財表の理論で税理士試験を諦めたと言う人もいます。それに財表には理論があるため計算は簿記論ほど複雑な問題は出題されません。このように財務諸表論の理論で苦手意識を持つ人が多いので苦手意識を克服できれば簿記論よりも合格しやすい科目と言えます。