受験予備校では定期的に模擬試験をしていると思います。受験予備校によって違うかもしれませんが、財務諸表論の合格ラインは上位30%と言われていて、模擬試験ではこの30%ラインを目指して多くの受験生が勉強していると思います。私も受験生時代は合格ラインに入れるように毎日勉強していましたが最初のころはなかなか合格ラインに入ることができなくて苦労しました。財務諸表論の講師に言われた通りに一生懸命勉強したのに合格ラインに入れず、
「もしかして能力の問題では?」
「頭が良くないと合格ラインに入れないのでは?」
「合格ラインに入るには難しい問題をもっと解かないといけないのでは?」
と不安と闘いながら試行錯誤していました。まぁ、合格ラインに程遠い点数しか取れなかったですしね…。
財務諸表論の合格に能力は関係ない!
そのような私ですが、本試験の直前期には常に上位10%以内に入ることができるようになっていました。特別な勉強というのはしていないのですが、ある時に気がついたのですが、模擬試験の正答率表を見たときに正答率が高い項目を全て合っていたら何点なんだろうと思って集計したところ、たしか上位20%以内だったと思いますが、合格ラインを大きく上回る点数でした。その時までに受験した模擬試験を全て集計してみた結果も同じで、正答率が高い項目を全て取れたら合格確実ラインに入れていました。
その時に「税理士試験は簡単な問題を間違いなく取れたら合格ラインに入れる!」ことに気づき、自分自信がなぜ合格ラインに入れないのかを改めて見直してみると
- 基礎項目の理解が不十分
- ケアレスミスが多い
ということがわかりました。特にケアレスミスの多さは目立っており、単に集計するだけの問題を間違えていたり、問題文を見落として関係会社判定を間違えたり、注記の記入漏れをしたりしていました。当時の私はこのようなケアレスミスをしたときにどう思っていたのかというと「あぁ、わかっていたのに!このケアレスミスが無かったら合格ラインだ。まぁ、ケアレスミスだし次は大丈夫。」といったようにケアレスミスを楽観視して特別な対策をとることはしていませんでした。
ケアレスミスについては「それって本当にケアレスミスですか?」「ケアレスミスは意識しないと無くなりません!」で書いていますが、ケアレスミスはしっかりと対策をとらないと直りません。何度も同じミスを繰り返して、本試験でもきっとケアレスミスをします。
私はケアレスミスを無くすことで合格確実ラインに入ることができ、本試験も合格できました。財務諸表論の合格に能力は関係なくて、基礎項目が出題されたときに間違えずに正答できるかどうかが合否を分けるのです。
まだこの時期に合格ラインに入れていない人はもう一度これまでに受験した模擬試験を見直してみて、ケアレスミスを繰り返していないかをチェックしてみてください。基礎項目の勉強は地味で急に効果が出るものではありませんが、財務諸表論だけではなく税理士試験全科目の合格で一番大切なことです。