そろそろ各受験予備校では2016年度税理士試験の講座がスタートしています。財務諸表論に限らず、税理士試験は9月から始めるのが一般的で、私も経験上、9月から勉強を始める方が合格しやすいと考えています。
財務諸表論は基礎項目が大切!
財務諸表論は簿記論と並んで税理士試験初学者が多く受験する科目の一つです。初めて税理士試験を勉強する人は、「税理士試験は難易度が高いから難しい勉強をしないと合格できない」と思っている人がいるかもしれませんが、実際はそうではありません(難しいかどうか感じ方には個人差がありますけどね)。特に財務諸表論は税理士試験の登竜門の科目とも言われるように、税理士試験の中では比較的合格しやすい科目の一つです。合格率も高いですしね。
財務諸表論の合格には基礎項目の理解が欠かせません。特に年内に学ぶ項目はとても重要で、基礎項目の理解が不十分だと応用項目をマスターできません。これはどのような試験勉強でも同じだと思いますが、年内に学ぶ基礎項目をしっかりと年内にマスターしておかないと、年明け以降で学習する応用項目を理解できず、2月以降の模擬試験で合格ラインに入れずに、5月に突入。この時期から焦って応用項目を必死に勉強するも、基礎項目の理解が不十分なので成績が安定せずに本試験で…という事態になります。
財務諸表論を一度経験すると私がここで書いている意味がわかると思いますが、税理士試験は1年に1回しかありません。このような経験をする前に、しっかりと基礎項目を固めましょう。正直に言って、基礎項目を年明け以降に勉強する余裕はありません。特に複数科目を受験している人や仕事をしている人は絶対に年内に基礎項目を完全マスターしておくべきで、これが財務諸表論に1年で合格するための最低条件だと思っています。
では、何が基礎項目なのかですが、受験予備校で年内に学ぶ項目の全てが基礎項目です。受験予備校によってカリキュラムに多少の違いはありますが、基本的には同じようなもので、この項目を全て覚えきってしまいましょう。どのレベルまで?と思うかもしれませんが、理論も計算も一言一句レベルです。「AといえばB」と体が勝手に反応するまでマスターします。そこまでするの?と思うかもしれませんが、財務諸表論において基礎項目はそのくらい重要で、この項目をしっかり時間をかけて勉強できるのは年内に限られていて、年明け以降は復習をする余裕が激減します。年明け以降は模擬試験が増えてきますし、学習範囲も広くなってきます。さらに複数科目を受験している人は通常の授業をこなすだけでも大変なのに、年内の項目を復習する時間を作るのは至難の業です。こうなると模擬試験前に一夜漬けをする付け焼刃勉強しかできません。付け焼刃勉強を否定するつもりはありませんが、良い勉強法ではないのはたしかです。
年内の勉強は年明け以降に比べると易しく、スケジュールも緩いですが、このペースに慣れるのではなく、年明け以降の勉強に備えて、この時期にしっかり基礎項目を固めてしまいましょう。そうしないと年明け以降に苦労しますよ。未経験者はきっと私が書いている事を年明け以降に体験すると思います。そうなってから慌てても、遅れを取り戻すのは難しいです。